EC物流ブログ

2024.02.21
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物流管理システムとは?WMS・WES・WCS・TMSの違いや導入のメリットも紹介!

物流管理システムとは、物流に関する業務工程などを管理できるシステムのことです。

しかし、物流管理システムの導入を検討している方の中には、「システム導入による具体的なメリットを知りたい」「システムの選び方が分からない」という方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、物流管理システムの種類やタイプ、導入するメリット、注意点を詳しく解説します。また、選び方のポイントについても触れていますので、ぜひ参考にしてください。

物流管理システムとは?種類も紹介

物流管理システムの種類

  • ・倉庫管理システム(WMS/Warehouse Management System)
  • ・倉庫運用管理システム(WES/Warehouse Execution System)
  • ・倉庫制御システム(WCS/Warehouse Control System)
  • ・配送管理システム(TMS/Transportaion Management System)

物流管理システムとは、仕入れた商品が顧客のもとに届くまでの業務工程や経過に関する情報を管理できるシステムのことです。

物流業務には、仕入れた商品の在庫管理や出荷準備、運賃の計算や配送手配などさまざまな工程があります。物流管理システムを導入することで、各工程で生じていた無駄を省きやすくなるため、コスト削減や作業時間の短縮につながるでしょう。

ここでは、その物流管理システムの中から、いくつかの種類をご紹介します。

倉庫管理システム(WMS)

倉庫管理システム(WMS)は、商品の数量を把握する在庫管理と、商品の入荷数と出庫数を把握する入出庫管理の一元化を可能にするソフトウェアシステムです。

在庫管理では、保管場所や入荷日に加え、サイズやカラーごとの在庫数、食料品の賞味期限も把握できます。また、入出庫管理では、入荷及び出庫した商品の管理と商品情報に関するラベルやバーコードの作成が可能で、円滑な配送を実現できます。

倉庫管理システム(WMS)を活用すれば、データ上の在庫数と実在庫数が合わなかったり、在庫切れが発生したりするトラブルを未然に防げるでしょう。

なお、ハンディターミナルと呼ばれる携帯端末を使用してバーコードを読み取ることで、手動入力の手間を省けるほか、人為的ミスも防ぎやすくなるため、倉庫管理業務の作業効率が向上します。

倉庫運用管理システム(WES)

倉庫運用管理システム(WES)は、WMSのような倉庫内の管理業務と倉庫内の機器の制御を両立したシステムです。倉庫内のマテハン機器やIoT化された機器に指示を出す役割のほか、動作状況が把握できるため、機器の稼働状況から使用している社員の状態の把握までできます。

倉庫運用管理システム(WES)を導入することで、倉庫内の設備や人材の確認をリアルタイムに把握できるようになるため、どの工程でマテハンやロボットなどのトラブルが起きているのかだけでなく、工程別のパフォーマンスも把握できるようになります。即時に改善や手当を行うことができますので、トラブルに対して即座に対応できる環境構築が可能です。また、ウェアラブル機器と連携すれば、従業員への連絡もすぐに行えるようになり、臨機応変な現場の人員配置転換も可能です。

倉庫制御システム(WCS)

倉庫制御システム(WCS)は、倉庫内の設備制御を可能にするシステムです。マテハン機器やIoT化した機器を遠隔地から制御できるため、物流在庫の状況に合わせた最適な機器運用が実現できます。

倉庫制御システム(WCS)では、自動倉庫や搬送用のコンベア、ソーターシステム、ロボットなどの制御を行うことが多く、同じマテハンやロボットでも個体単位の効率化制御や最適化のロジックが組み込まれており、WESの指示系統のみより精度の高い物流を目指すことができます。

配送管理システム(TMS)

機能名称 活用シーン
配車管理 配送オーダーの情報をもとに、積載率の向上や最適な配送ルートを決定
進捗管理 車両の位置情報を把握し、渋滞や事故などのトラブルに備えた対応が可能
実績管理 商品の配送実績を記録し、データを積み上げることで今後の配車に活用
運賃管理 配送に関するコストを把握し、適正な運賃価格を算定

配送管理システム(TMS)は、商品の輸送や配送に関連する作業を最適化するためのソフトウェアシステムで、上記4つの機能があります。

配送管理システムを活用することによって、これまで熟練のスタッフの勘に頼っていた業務を標準化でき、誰でも簡単に行えるようになります。

また、配送から商品到着までの流れも円滑化するため、より早く商品を顧客のもとへ届けられるでしょう。

物流管理システムを導入するメリット

物流管理システムの種類にもよりますが、導入するメリットとして、以下の5つがあげられます。

物流の可視化

WMSでは、荷動きや物流のどの工程にどの商品があるのかをほぼリアルタイムで確認できます。進捗状況だけでなく、商品や工程別の分析、集計も行うことができます。

在庫精度の向上

WMSでは、バーコードやRFIDを用いて在庫の入出庫を正確に捉えます。また在庫の動きがリアルタイムでわかり、商品ごとの回転率やランクも把握できます。このデータを活用して、在庫調整を行えば、過剰在庫や欠品のリスクを抑制することが可能です。また、在庫の最適化により、倉庫のスペースやコストの削減も期待できます。

人的ミスの削減

物流管理システムの多くは、ハンディターミナルやその他のデジタル機器などを使用して商品管理や出荷管理を行います。そのため、取り違えや見落としのような人的ミスを防ぎやすくなります。また、デジタル管理された情報により、エラーやミスが起きたタイミングを特定したり、トレーサビリティとして追跡しやすくなります。

配送業務の効率化

TMSでは、配車計画の自動化をサポートするほか、配送遅延の原因となる渋滞が起こりやすい時間帯や、渋滞ルートの情報を活用した配車計画を立てやすくなります。配車効率を高めることで業務効率向上も期待できます。

倉庫内設備運用の最適化

倉庫運用システムや、倉庫制御システムを導入することで、リアルタイムに倉庫内設備の把握や制御が可能になります。そのため、課題の抽出や、急な波動に対応した操縦が実現でき、設備運用を最適化しやすくなります。

物流管理システムの選び方

物流管理システムを選ぶ際は、以下の要点を確認しておきましょう。

  • ・導入目的に適した機能を持っているか
  • ・コストは予算内か
  • ・使いやすいUXやUIであるか
  • ・サポート体制は充実しているか
  • ・システムの拡張性やカスタマイズ性は問題ないか

次項で、それぞれの要点について解説します。

導入目的に適した機能を持っているか

物流業務にはさまざまな種類があり、解決したい課題も多岐にわたります。そのため、自社が抱える課題や業務特性に適した物流システムを導入することが大切です。

自社の課題や導入目的があいまいな状態で物流管理システムを導入しても、十分な効果は得られません。複数の物流管理システムの機能を洗い出し、課題解決につながるかどうかを検討しましょう。課題を抽出する際には、全体課題の洗い出しのほか、物流工程の分析を行い、工程別の課題やボトルネックを確認しましょう。

コストとカスタマイズ性のバランス

物流管理システムは、クラウド型のサービスも多数ある一方、自社や取り扱う物流業務の特性に合わせたシステムを構築する場合、カスタマイズのために高いコストがかかってしまうケースもあります。クラウド型のシステムは一見、導入コストが安いものでも、物量が増えると割高になってしまうかもしれません。

それぞれのシステムの特徴を把握し、利用量やニーズにあわせて最適なものを選択しましょう。

サポート体制を含めたリスク管理

物流管理システムが業務プロセスに浸透すればするほど、システムへの依存度は高まり、トラブルが起こったときの影響が大きくなります。

保守体制や、障害時のSLAなどを確認する必要があります。
ただし、サポート体制が充実しているシステムやプランは、コストが高くなりやすいため、自社の事業リスクやシステムへの依存度、障害時の影響度など、さまざまな要素を考慮しながらコストとのバランスで検討してください。

システムの拡張性やカスタマイズ性は問題ないか

物流業務はサプライチェーンの中でも重要な要素であるため、販売管理システムや基幹システムなどとの連携が求められることがあります。そのため、他のシステムと連携できるかどうかは、物流管理システムを選ぶうえで重要なポイントです。

異なるシステム間でも、データの転送や一元管理ができるようになれば、複数のシステムを個別管理するより業務効率が大幅に向上します。

自社のシステムの全体設計を考えながら、必要なシステム間、データ連携の機能開発が可能な仕組みを導入するかを検討しましょう。また、クラウド系のシステムは、異なるシステム間の連携に制限がかかるケースも多いため、事前に確認しておくことが大切です。

物流管理システムを導入して業務の効率化を図ろう!

物流管理システムを導入することで、業務の可視化や効率化に加え、コスト削減や人的ミスの軽減などにもつなげやすくなります。

自社に適したシステムを探す際には、物流工程や作業内容を確認、分析し、自社の課題を洗い出しましょう。そのうえで、課題を解決するために必要な機能を備えたシステムを探すことが大切です。また、サポートの充実や機能のカスタマイズを重視するとコストがかさみやすくなるため、必要な機能の取捨選択や事業リスクとのバランスを考えてから導入を決めましょう。

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