EC物流ブログ

2024.01.12
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物流のDC(ディストリビューションセンター)とは?TC・FC・PDCとの違いとは?

物流センターは、機能や役割によって分けられます。

物流センターの分類を指す「DC」「TC」「FC」「PDC」といった用語を知っていても、それぞれの役割や違いまではわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、DC(ディストリビューションセンター)における物流業務の流れ、その他の物流センターとの違いについて詳しく解説します。

また、物流DCのメリット・デメリットについても触れていますので、ぜひ参考にしてください。

DC(ディストリビューションセンター)とは?

DC(Distribution Center・ディストリビューションセンター)とは、商品の検品や保管、ピッキング、出荷作業といった物流業務を行う物流センターのことです。

在庫期間が長いことから「在庫型物流センター」もしくは「在庫型センター」とも呼ばれています。

DCは、入荷した商品を検品後保管し、顧客からの注文や店舗からの発送指示に基づいてピッキング、梱包などの流通加工を経て出荷するまでの役割を担います。

ピッキングしやすいレイアウトを採用したり、大型車両が荷積みや荷下ろしを行いやすいように、バースや搬入経路を設けたりするなど、効率的な入出荷管理に特化している点もDCの特徴です。

DCとその他の物流センターとの違いは?

続いて、DCと各物流センターとの違いをみていきましょう。

  • ・TC(トランスファーセンター)とDCの違い
  • ・FC(フルフィルメントセンター)とは?
  • ・PDC(プロセスディストリビューションセンター)とは?

TC(トランスファーセンター)とDCの違い

TC(Transfer Center・トランスファーセンター)とは、入荷した商品を保管せずに発送する通過型物流センターのことです。

主な機能は仕分けや積み替えであるため、DCと比べ大規模な保管スペースを必要としません。TCはコンパクトな運用が利点である半面、センター内に商品が溜まらないようにしなければならないため、入出荷における連携が重要です。

また、TCは役割によってTC1型とTC2型の2つに分類されます。TC1型では、入荷した商品を開梱して検品が終わり次第、店舗別仕分けを行い発送します。開梱・検品が不要な場合は、店舗仕分けのみのクロスドッキングも可能です。

対してTC2型は、検品した後にピッキングを経て発送する形式です。ピッキングを前提とするTC2型のほうが出荷作業の手間が大きいため、より入出荷管理やピッキング作業の効率化が求められます。

FC(フルフィルメントセンター)とは?

FC(Fulfillment Center・フルフィルメントセンター)とは、EC事業者における商品の注文対応から発送まで一連のサービスを担う物流センターのことです。通販の普及とともに増えてきたDCの一種であり、以下の業務を包括して行います。

  • ・商品仕入れ(荷受け)、検品・保管(格納)、在庫管理
  • ・ピッキング
  • ・流通加工(梱包・包装・配送処理など)、出荷
  • ・カスタマーサポート

FCでは、物流センター内で通信販売に必要な全ての業務が完結します。そのため、物流業務を効率的に行えるだけでなく、EC市場における顧客ニーズへの迅速な対応が可能です。

今後もEC事業が拡大していくなか、最も注目されている物流センターといえるでしょう。

PDC (プロセスディストリビューションセンター)とは?

PDC(Process Distribution Center・プロセスディストリビューションセンター)とは、流通加工と倉庫の機能を併せ持つ在庫加工・在庫型物流センターのことです。

DCでも包装やラベル貼り替えといった簡単な流通加工は行いますが、PDCでは繊細な品質管理が求められる生鮮食品加工や家具などの組み立てなど、高度な流通加工を行います。

物流センターで保管・入出荷ができるため、高い品質を保ちつつ速やかに商品を運ぶことが可能です。そのため、スーパーやコンビニエンスストアの商品などを取り扱うケースも多くみられます。

また、PDCは加工機能を有していることから、物流センターとしての付加価値を高めることができる一方、加工や品質管理に必要な専門設備を配置しなければなりません。

さらに、生産ラインの整備や加工にともなう労働力が求められるため、大きなコストがかかる点には注意が必要です。

DCでの一般的な物流業務の流れ

DCでの一般的な物流業務の流れは、以下のとおりです。

  • 1.商品の入庫
  • 2.検品入庫作業
  • 3.棚入れ作業
  • 4.ピッキング・流通加工・梱包作業
  • 5.出荷作業

DCのシステムや標準フロー、業種業界によって異なりますが、ここではDCにおける一般的な物流業務の流れを解説します。

1.商品の入庫

仕入れ先の取引問屋やメーカーから購入された商品は、直接DCへ納品されることがほとんどです。

商品情報や入庫日などの事前連絡を受け、バースでの荷下ろしスケジュール管理や保管スペースの確保、検品作業の準備などを行います。

2.検品入庫作業

入庫した商品は、入荷予定データに沿って検品作業を行います。発注と入荷商品や数量に相違がないかを確認するだけでなく、簡易的な品質検査などを行うこともあります。

入荷検品作業で見落としがあると、誤った商品を出荷するリスクが生じます。また、在庫管理においても、データと現物の数量にずれが生じると出荷に支障をきたすでしょう。

3.棚入れ作業

検品完了後は、各DCに定められたルールと管理方法に準じて棚入れ作業を行います。間違った場所に棚入れしてしまうと、商品の検索やピッキング作業に大幅なロスが生じてしまうだけでなく、在庫の紛失にもつながります。

さらに、「あると思った商品が実は品切れだった」ともなれば、顧客に多大な迷惑をかけることになるでしょう。正確な棚入れ作業を行うためには、倉庫規模や業態に適した倉庫管理システムなどを導入し、ミスが生じやすい部分を自動化するなどの環境整備が有効です。

4.ピッキング・流通加工・梱包作業

顧客からの注文等を受けたら、出荷指示データに基づいてピッキング作業を行います。

ピッキング後は、出荷する商品の出荷検品作業を行い、商品の特性にあわせた梱包を行います。そのほか、必要に応じてラベルの貼り替えや商品セット加工をしたり、個別の要望に対してギフト加工をしたりするなど、状況にあわせた流通加工も求められます。

5.出荷作業

出荷作業では宛先データに基づいて送付状を発行・貼り付けします。

配送地域ごとに商品を仕分けし、集荷の車両や配送する車両に積み込みます。DCでの一般的な物流業務の流れは、この積み込みをもって完了です。その後、商品は直接顧客のもとへ届けられるケースもあれば、配送会社の仕分けデポ(depot・小型物流拠点)に向かうケースもあります。

物流DCのメリット

DCの主なメリットは2つあります。

DCは一般的に広い保管スペースを取っているため、大きいロット単位での在庫保管が可能です。大量購入により、商品の仕入れ値を安く抑えられ、物流コストの削減もできるというメリットがあります。

2つ目のメリットは、DCでは商品在庫を複数有しているため、イレギュラーな発注や大量購入が生じた場合でも在庫の範囲内で対応できるという点です。商品の欠品入荷待ちによる売り上げの機会損失を防ぐことができ、在庫の確実性が顧客の信頼獲得につながることも期待できるでしょう。

DCは、大ロット単位で管理しながら、商品単品を組み合わせて小口出荷できるという特性をもっています。そのため、店舗の在庫スペースを削減ができるほか、実店舗をもたないEC物流にもマッチした物流センターです。

物流DCのデメリット

DCには、メリットがある一方、以下のようなデメリットも存在します。

そのうちの一つとして、初期投資コストが高いという点があげられます。在庫管理のための広大なスペース、保管ラックや品質管理設備などを調達する必要があり、管理システムの導入や運用費用もかかるでしょう。

また、DCの運営には、管理業務として定期的な棚卸作業を必要とします。棚卸には、作業時間とリソースの確保が不可欠であり、保有商品が多ければ多いほどコストが膨らむでしょう。一斉棚卸期間中は、在庫が動かないように入出荷を停止する必要があり、営業機会の損失が懸念されます。

しかしながら、棚卸業務はDCに限らず商品管理に必要な作業です。庫内整備と管理システムによる適切な在庫管理で作業負担を軽減することができるため、大きなデメリットとはならないケースが多いでしょう。

DCの特徴を理解して自社の物流業務の効率化を図ろう!

DCは物流業務に関連するさまざまな機能を有する在庫型物流センターです。大量の商品を保管することで仕入れコストや物流コストを安く抑えられる一方、設備投資費用や管理コストが生じます。

DCの特性は、管理システム導入の有無で大きく異なります。全てを人的リソースで行う従来の方法では、近年需要が増しているEC分野への対応は難しいでしょう。

そこで、EC事業を取り扱う場合は、FCやTCの仕組みを応用したEC対応DC管理システムの導入をおすすめします。

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