EC物流ブログ

2023.12.19
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物流アウトソーシングとは?その役割や導入するメリットを紹介

これまで自社で行っていた物流業務を、外部の専門業者に委託する「物流アウトソーシング」の需要が高まっています。

導入することで、コスト削減や業務の効率化が期待できる物流アウトソーシングですが、具体的にはどのようなサービスを提供しているのでしょうか。

そこでこの記事では、物流アウトソーシングの種類と役割、そして導入によるメリットと注意点を解説します。

物流アウトソーシングとは?

物流アウトソーシングとは、物流業務を外部の専門業者へ委託することです。委託することで、出荷件数の拡大に伴う人手不足や、保管スペースの不足といった課題の解決につなげられます。

また、入庫や在庫管理などの基本的な物流業務だけでなく、返品対応や棚卸なども委託可能です。

物流アウトソーシングを利用することで、人件費や設備などの削減につながるため、状況によってはコストカットも見込めます。

さらに、自社での物流業務にかかる時間や手間を削減でき、コア業務に集中しやすくなるともいえます。

物流アウトソーシングのサービスの種類

物流アウトソーシングのサービスの種類には、料金形態によって主に以下の2つがあります。

・汎用型(定額系)物流サービス
汎用的なプラットフォーム型の定額系物流サービスは、サービス内容や価格がある程度あらかじめ決まっているサービスです。
倉庫の保管料が配送個数などに応じて決まるため、小規模の企業でも気軽に利用できるメリットがあります。
ただし、委託できる業務内容が決まっていることが多く、カスタマイズ性は高くありません。

・3PL型(カスタム系)物流サービス
3PL型のカスタム系物流サービスは、委託したい要望にあわせて、業務ごとの運用や料金を設定できるサービスです。
サービスを自由にカスタマイズできるため、基本的な物流業務では対応していないような、細かな要望がある場合に適しています。
ただし、料金形態や運用が複雑になりやすく、導入までに数カ月かかることが多いです。

物流アウトソーシングの役割

物流アウトソーシングの役割として、主に以下の4つがあげられます。具体的な業務内容について、詳しくみていきましょう。

・入荷・入庫・棚入れ
入荷した商品を物流倉庫に格納します。入荷した商品の数量や在庫にミスがないよう、確認作業が求められます。
また、入庫や棚入れ時には、ピッキング時に分かりやすく取り出しやすい保管形態や導線に保管します。

・在庫管理
在庫管理では、在庫データと実在庫の数量が一致しているかを確認します。
日々変動する在庫は、入と出を管理しながら日次でデータを突合し、棚卸時に実在庫との差を定期的に確認するのが一般的です。

・ピッキング・流通加工
ピッキングとは、注文を受けた商品を商品管理エリアから取ってくることです。ピッキング方法には、ある程度の注文の塊でピッキングを行うトータルピックと、個別注文のピックなどいくつかのパターンがあります。
いずれにしても人手がかかり、かつ導線や保管方法、ピッキング方法によって生産性が大きく変わりますので、機械化が求められる工程でもあります。
また、ピッキングした商品は、顧客の要望に合った方法でラッピングやラベルの張り替えなど、流通加工も発生します。細かいニーズに対応するため手作業で行われるケースも多くあります。

・梱包・出荷・配送
ピッキングが完了した商品は、納品書やサンプル、チラシなどの同梱物をつめて「出荷前検品」を行い、緩衝材を入れて段ボールに梱包します。配送ラベルが貼られ、配送業者へ引き渡されて出荷完了となります。
個人に配送する場合は、宅配便や郵便サービスの利用が一般的です。配送業者に依頼する場合は、国内であれば基本的に翌日から翌々日に配達完了します。

物流アウトソーシングを導入する5つのメリット

物流アウトソーシングを導入する5つのメリットとして、以下があげられます。

  • ・コストの削減ができる
  • ・人的リソースをコア業務に割ける
  • ・物流業務の品質向上につながる
  • ・物流業務における体制の変化への対応も不要になる
  • ・ニーズに適したサービスの提供を受けることができる

コストの削減ができる

物流業務をアウトソーシングすると、内製では固定費用だった人件費や荷物の保管費などを、必要な分だけ生じる変動費化にできます。物流業務は、シーズンによって取扱量が変動しやすいため、大きなコスト削減につながるでしょう。

また、物流アウトソーシングは、現在の物流にかかっているコストを明確にしたい時にも役立ちます。コスト削減を行うためには、まず「どこに」「どれだけ」コストがかかっているかを把握することが大切です。

物流の専門業者に委託することで、何に対してどのようなコストが発生しているかが明確になるため、コスト管理が容易になるでしょう。

人的リソースをコア業務に割ける

物流業務をアウトソーシングすることで、「新しい商品の企画」や「既存商品のブラッシュアップ」など、物販ビジネスにおいて重要なプロセスに貴重な人的リソースを注ぐことが可能です。

また、自社物流の場合、イレギュラーな事態にも全て自社で対応しなくてはなりません。通常期は問題のない業務量であっても、状況によっては担当者の大きな負担となり、人材を疲弊させてしまう場合があります。

その点、実績のある物流の専門業者には、イレギュラー対応のノウハウやリスク回避の対策案がいくつも蓄積されています。結果的に、物流業務負担の軽減にもつながるでしょう。

物流業務の品質向上につながる

物流の専門業者は、効率的な在庫管理や入出荷作業、正確かつ迅速な物流業務の実現を可能とします。そのため、業務ミスの削減や配送品質の向上も期待できるでしょう。

物流品質の向上は、最終タッチポイントとして顧客満足度を高めることにつながり、リピーター獲得や、売上に貢献するでしょう。

物流業務における体制の変化への対応も不要になる

物流業務は、閑散期と繁忙期の取扱量に大きな差が生じ、そのたびに発送体制を再構築する必要があります。自社で全ての状況に対応すると、人材の確保や設備の準備などさまざまなコストが必要となり負担もかかります。

しかし、物流業務をアウトソーシングすれば、体制変化への対応が不要になるでしょう。想定外の受注で物流量が突発的に増加した場合でも、ある程度適切に対応してもらえるため安心です。

ニーズに適したサービスの提供を受けることができる

市場や顧客ニーズは、日々変化していきます。

また同時に、存在する多様なニーズに応えるためには、企業の柔軟な対応、サービスや設備の更新が必要な場合もあるでしょう。物流業務を内製で完結させる場合には、容易なことではありません。

しかし、物流アウトソーシングを選択することで、時流にあわせた運用が期待でき、売上向上も見込めます。

物流アウトソーシングを導入する際の注意点

物流アウトソーシングを導入する際は、以下の3点に注意しましょう。

  • ・対応してもらえる業務内容はアウトソーシング先によって異なる
  • ・アウトソーシング先の選定基準が難しい
  • ・自社内にノウハウが蓄積されない

それぞれ詳しく解説します。

対応してもらえる業務内容はアウトソーシング先によって異なる

アウトソーシング先の業者によって、対応している業務内容はさまざまです。そのため、委託先によっては自社のニーズへの対応が難しい場合もあるでしょう。

特に、他社にはない独自のサービスは、委託できない可能性があります。

例えば、「手書きのメッセージカード」や「特徴的なラッピング」といった業務は、ヒューマンエラーを防止するという観点から委託を受けていなかったり、追加料金を支払えば対応してもらえたりするなど業者によって異なります。

対応可能な業務を確認したうえで、アウトソーシング先を決めることをおすすめします。

アウトソーシング先の選定基準が難しい

選択肢の多さにはメリットがある一方、自社に合った企業の選定は容易ではありません。

自社に最適なアウトソーシング先を選定するためには、まず自社の物流業務における課題を洗い出すことが大切です。

課題を明確にしたうえで、解決できるアウトソーシング先を選びましょう。

自社内にノウハウが蓄積されない

物流アウトソーシングは、物流業務をプロに委託するため、課題への迅速な対応が可能です。

一方で、外部に委託すると自社に物流業務のノウハウが蓄積されず、人材育成につながらないデメリットがあります。

もし、将来的に物流業務を内製化する可能性がある場合は、対策が必要でしょう。委託業者との定例会を設けるなどして、ノウハウに触れる機会を増やすことをおすすめします。

物流アウトソーシングを導入する流れ

物流アウトソーシングを、実際に導入する際の具体的な流れは以下のとおりです。

1. 業者に問い合わせる
まずは、物流アウトソーシング業者への問い合わせを行いましょう。業者によって提供しているサービスが異なるため、求めるサービスがあるかどうかを確認するためにも問い合わせは大切です。

2. 要望を伝える
業者との打ち合わせでは、自社の物流業務が抱えている課題と要望を伝えましょう。こちらの要望に対して「どのような提案をしてくれるのか」も、業者を選ぶ際の重要なポイントとなります。

3. 見積もりを出してもらう
見積書の内容に不明点がある場合は必ず確認しましょう。見積もりの段階で認識のずれが生じると、後々トラブルに発展するおそれがあります。

4. 業者を比較検討する
提案された内容や見積もりを踏まえて、複数の業者を比較検討すると良いでしょう。そうすることで、自社に最適な業者を選定できる可能性が高まります。

5. 業者と契約を結ぶ
実際の契約では、「業務委託契約書」を締結します。「委託業務の内容」や「委託料」などが記載されているため、後々のトラブルを防ぐためにも契約時に必ず確認しておきましょう。

6. 業務を委託する
業務委託契約書を締結したあとは、委託に向けての準備が整い次第、委託業務が開始されます。ただし、自社に最適な業務フローの構築に時間がかかり、契約締結から委託業務開始までに数カ月かかったというケースもあります。物流アウトソーシングの導入を検討している方は、早めに動くと良いでしょう。

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